当院で行っているアレルギー性皮膚病を疑う場合の検査は蕁麻疹、アナフィラキシーショック
アトピー性皮膚炎などの1型アレルギーに対してアレルゲンの検索のために血液検査を行っています。
ただしやみくもに行うのではなく問診で症状を起こす可能性のある項目に絞って行うよう
心掛けています。なかなか絞り切れない場合は39種類の項目が入っているView39を行うこともあります。
ただこれらの血液検査は確実にアレルギーの原因を見つけることができないことも多く最終的には
実際の症状誘発の有無や負荷試験で確認をしていきます。
金属アレルギーや化粧かぶれなどの4型アレルギーではアレルゲン検索のためにパッチテストを行って
います。ただしこの検査も完全ではなく最終的にはやはり症状誘発の有無や除去、負荷試験を用いて
確認をします。
当院では開院以来、原因不明とされてきた難治な皮膚アレルギーの患者さんが来院されます。
最も多いのは薬剤アレルギー(薬疹)ですが、その他で多いのはシャンプーかぶれ、目薬かぶれ、
化粧品かぶれです。一般的には病気を治すために使っている内服薬や目薬、安全と思い込まされている
シャンプーや化粧品がまさか害を及ぼしているとは思わないところにかぶれ診療の難しさがあります。
薬疹やかぶれは使い始めのころには出てこず数週間から長い場合は10年以上たって出てくることもあるため
ほとんどの人が原因として疑わないといったことがあります。
特にシャンプーかぶれの場合は頭皮に症状が少なく耳の上から顔面にかけて赤くかゆくなるため
原因として疑われないことが多く長年患っていることがよくあります。
実際に当院のシャンプー、化粧品かぶれの患者さんの中には20年以上悩まされた方が来院される
こともまれではなく原因除去のみでステロイドなどの薬を使うことなく簡単に完治する場合も多々あります。
皮膚アレルギーの治療の基本は薬を飲んだり、塗ったりすることではなく原因除去のみが唯一の治療です。
通常のかぶれは1週間程度のステロイド外用で副作用もなく完治することがほとんどですので特にステロイド
外用剤の副作用が出やすい顔面のかぶれが治らないときは数週間や数か月にわたって漫然と薬を塗らず
根治に向けた原因検索のための早めの受診をおすすめします。